『火』と向き合い生み出される本物の燻製 |
一度このおいしさを知ったら他のは食べられない…とリピートされる方がほとんどではないでしょうか。
スモークの香りがとてもやわらかく、料理に使うと何とも良い「ダシ」が出て、なんでも美味しくなる魔法の燻製。
いったいどんな場所でどんな方が作られているのだろう??
添加物が多い食品の代表格とも言えるベーコン、ソーセージ、ハム…
出雲大社から車で走ること数分。ぶどう畑や木々に囲まれた気持ちの良い場所にひっそりと建つ手作り感あふれるかわいい小屋。
壁には山尾三省さんの「火を焚きなさい」の詩が。
笑顔の素敵な奥様が、おいしいナシとお茶でもてなしてくださいました。
『白南風(しらはえ)』とは漁師言葉で、梅雨明け直後の少し乾いた風のことで、この頃産卵を終えたトビウオ達が日本海にも一斉にやってくるのだそう。
1985年、このトビウオの燻製作りから長い長い火と向き合うご主人青木さんの職人の道が始まります。
市販のベーコンやソーセージの原材料を見てみてください。
お家で調理する時には使わないようなワケの分からないカタカナの添加物がズラーッと並んでいますね。
その役割は、防腐効果をもたせたり、生グザみを消したり、スーパーに並んだときに「おいしそう」に見えるように発色剤を使ったり…もうこの食べ物が何者なのか解りません。
白南風さんの商品を見てみると、原材料は「豚肉・塩・胡椒」のみ。
当初、大手スーパーなどにソーセージの営業に行くも、きれいなピンク色のプリプリジューシーなソーセージが常識になっている中、青木さんの作る「本物のソーセージ」の味はなかなか受け入れられず、売り込みにずいぶんご苦労したそう。
・燻製作りで大切なのは「温度」「煙」「時間」のバランス。
Step1: 前日に塩抜きし、冷蔵庫で寝かせた後、水抜きする(約17時間)
Step2: 吊るしてスモーク。まずは38~40度で煙をあまり出さない状態で表面乾燥させる(約1時間)
Step3: 58~60度でじっくりじっくりスモークする(約6時間)
Step3のこの間もずっと、火と向き合い温度や火加減を調節します。
その火力によってきれいなピンク色の発色を促すのです。ここに職人技あり。
子供の頃から火と寄り添った暮らしをしていて、火山写真家という経歴もあるほど火が好きだという青木さん。
だからその気の遠くなるような長い時間も、きっとドキドキ、ワクワクしながら優しく火を見つめておられるのでしょう。
独特の語り口調で、ゆっくりと熱く語ってくださった青木さん。
本当に火が好きなんだな~というのが伝わる、楽しそうにお話をされる姿がとても印象的でした。
何だか焚き火を囲んで人生論を聞かせてもらっているような穏やかな時間でした。
細かなことまで惜しげもなくすべてお話してくださった青木さん、貴重なお話を本当に有難うございました。
そんな白南風さんの30年間の知恵と技、そして火への愛と敬意がたっぷりつまった燻製。
ベーコンは、スライスしてこんがり焼き目をつけてサンドイッチにしても美味しいですし、ちょっと「太め」の細切りにして、パスタ、チャーハン、炒め物などに入れると、絶品料理に変身!
現在は奥様と甥っ子さんと3人で、少しずつ丁寧に手作り燻製の味を守っておられます。
そのため、入荷も少量ずつ。欠品のこともしばしばですが、ぜひ皆さまも「煙がごちそうの本物の燻製」おためしください。
スタッフ 山本
自然食コタン